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2010.09.02

校正のトピックスNo.63
【保護管付熱電対】:いったいどれだけ挿せばいいの?

保護管付熱電対はどのくらい挿せばいいの?

    • 熱電対は、気体や液体など様々な温度測定によく使われる温度センサーです。

  • 使用上の注意事項には、
    1)十分深く挿入する
    2)保護管径の15~20倍以上挿入する
    等、様々な書き方がされています。
  • ではいったい、どれだけ挿入すれば正しい測定ができるのでしょうか?
  • そんな疑問から、挿入長による、測定値の変化を実験してみました。

金属製保護管付の熱電対の挿入長を変えて実験してみました。

    • 管状炉を使用し、管状炉の均熱部へ熱電対を20mmずつ挿入していったときの指示値の変化を実験しました。

  • 使用した機器
    ○管状炉 型式:TZF12/65/60、メーカ:Carbolite製、
    仕様:600~1100℃、φ65mm、温度均一ゾーン:392mm、
    均熱性:±1℃ at 1000℃
    ○熱電対 型式:TYPE K(S)、保護管径:φ22mm、
    長さ:1025mm、JIS1級、許容差:±3.2℃(800℃)
    ○ ポータブルマルチロガー 型式:ZR-RX40、メーカ:オムロン製

実験の結果から

    • 保護管径の5倍の120mm挿入したところで、指示の変化は少なくなってきましたが、-6.2℃の誤差が生じていました。
    • そして、約15倍の320mm以上挿入したところで、誤差-0.1℃と指示が安定し、正確な測定結果が得られました。


保護管径の15倍以上がポイントです。

  • 熱電対は、測定対象や雰囲気による素線の劣化を防ぐために、金属製やセラミック製などの保護管が使用されています。
  • 保護管付熱電対は、保護管の露出部や内部の空気層により外気の影響を受けます。
  • その結果、挿入長が短いと、外気の影響が測温部まで伝わり、測定誤差の要因となります。
  • 今回の実験結果からは、保護管径の15倍以上、測定対象に挿入することで正確な温度測定値が得られました。
  • 注意事項をちゃんと守らないと、正確に測定できないことがわかりました。

関連情報をご紹介します。

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