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2023.01.01

【ガラス製温度計】:どこまで浸ければ指示は正確?

校正のトピックスNo.48

NKS流「ためしてガッテン!」

ガラス温度計は浸ける位置で温度が変わる?

  • 日頃、ガラス製温度計で液温を計るとき、球部(液溜まり部分)だけ浸ければ良いと思って使っていませんか?
  • しかし、実は取扱説明書の測定方法に、『計る温度まで浸してください』と記載があります。
  • 今まであまり気にしていなかったのですが、本当に浸ける位置で温度が変わるのでしょうか?
  • そんな疑問から、浸ける位置を変えることで温度指示にどれくらい影響があるか実験しました。

浸ける位置を変え、温度の変化を実験しました。

  • 【実験に使用した測定器】
  • 【被試験用 ガラス温製度計】標準棒状温度計(長さ300mm)
    目盛:50~100℃ 精度±0.2℃
  • 【標準器】Ptデジタル温度計
    目盛:0~100℃ 精度±0.1℃
  • 【補助器具】ウォーターバス
  • バスの液温度を85℃に設定し、ガラス製温度計の浸ける位置を変えたときの温度指示値の変化を実験しました。

実験結果から

  • 浸ける位置が浅いと指示値は低くなり、下端から55mmでは許容値から外れた。
  • 感温液の上端まで浸けたとき、液温(標準器)の温度とほぼ同じ指示になった。
  • どの位置まで浸けるかによって温度計の指示に大きな違いを生じることがわかりました。

規定位置まで浸けることが重要

  • 最も多く使われているガラス製温度計は、全浸没温度計と呼ばれるタイプで、実は、感温液全体まで浸けた状態で目盛定めがされています。
  • ガラス製温度計は、水銀など感温液の熱膨張、収縮で温度を指示しますので、露出部分が冷めてしまうと温度指示に影響が出てしまいます。
  • 従って、液温を正しく計るには
  • (1)内部液が全て浸かる位置まで沈める
  • (2)温度計を傾けて、目線を温度計の目盛と水平にして読みとること
  • が大切です。

  • また、ガラス製温度計の特性からくる注意点として、衝撃や振動などによって液切れが生じたり、経年変化で球部のガラスが収縮し、指示が高くなります。
  • 使用前に液切れがないことの確認や、定期的な精度検査をされることをお勧めします。

関連情報をご紹介します。

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