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2015.10.29

校正のトピックスNo.306
【ガラススケール:ガラススケールも経年劣化する?】

NKS流「ためしてガッテン!」

ガラスは不変じゃないの?

    • 物体を拡大して読み取る計測器に、工具顕微鏡や万能投影機などが有ります。当社へ校正依頼が有った際、金属製のスケールの標準器では光が透過せず見にくいため、ガラススケールを使い1μmの単位まで値を読み取っています。
  • 今回、標準器であるガラススケールの有効期限が近づいて来たので、国からの認定機関に校正依頼をした所、精度不良の結果でした。
    その結果をみて、思わず「え!」と言ってしまいました。
  • 「ガラスは、金属より温度変化しにくく化学変化にも強い材質なのに、長さは変わるものなの?測定ミスでは無いの?」と思いました。
  • そこで病院での対応みたいと言われそうですが、セカンドオピニオンとして同じ結果になるか製造メーカに校正依頼をした所、驚きの事実が分かりました。

毎年、百万分の一以下の長さは変化するようです

    • 今回のガラススケールは、200mmまで測定できるもので、6年前から使用しています。改めて過去の校正結果をプロットしていくと、段々長さが短くなっている事が分かりました。

    • 次に、セカンドオピニオン先での校正結果は、国からの認定機関の校正結果とほぼ同じ数字の結果でした。依頼先は、日本を代表する長さ計製造メーカであり、数値結果に信頼は置けるので、はじめの結果に測定ミスは無さそうです。
  • そこで、メーカにこれまでの経緯を話したところ、次の話を伺えました。
    「当社のガラススケールは、素材にソーダガラスを使用しています。この素材はJIS規格にある長さの安定度基準である、年間で百万分の一を超えない事を満たすものです。製造時の素材のバラツキ差は有るかも知れませんが、6年経過するとこのような結果になってもおかしく有りません」との事でした。
  • つまり200mmでいうと「1年間で0.2μm変わる可能性が有る事は当たり前」という事実にビックリしました。それを踏まえると、ある意味ガラススケールは、堅物な物体ではなく、毎年長さが変わる生き物?と言えるかもしれません。

6年選手のガラススケールさんには、定年退職してもらいました

  • ガラス製品は扱い次第で、傷ついたり、落として割ってしまう事などが起こりやすいですが、今回のガラススケールは、そのような事は無かったので、破損するまで使う予定でした。
  • でも、もしかしたら、そのような考えをガラススケールは見抜いて、永久にこき使われないように、ガラススケールの意思が働いて、少しずつ長さを変えてきたのかなと思うと、愛着が湧きました。
  • そこで、6年間色々なお客様の所でしっかり働いてくれたので、これを機に定年退職して貰い、新しく新人のガラススケール君を入れました。今後は、お客様の所で新人君が活躍しますので、これからもご愛顧願います。

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