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2010.02.24

校正のトピックスNo.36
【温度指示計:ウォーミング時間も誤差の要因の一つ】

NKS流「ためしてガッテン!」

温度指示計の誤差の要因は?

  • 温度指示計の取り扱い説明書を読むと、ウォーミング時間:電源オン後、15分以上とか、30分以上と注意書きが有ります。
  • 前回取り上げた携帯用デジタルマルチメータと同様、周囲温度の影響も有ります。
  • また、基準接点補償誤差という項目が有り、これも誤差に関連する内容です。
  • 温度指示計は、ウォーミング時間、周囲温度、基準接点補償誤差があり、誤差の要因となる時間と温度に注意して取り扱わなければ、正しく温度が測定できません。
  • そこで「ウォーミング時間」と「周囲温度+基準接点補償」による影響を2回のシリーズに分け、お届けします。
  • 今回は、「ウォーミング時間」を取り上げ、電源投入後の時間の経過とともに温度指示値の変化を実験しました。

電源投入直後からの温度指示値の変化を実験しました

    • 【実験に使用した標準器及び測定器】
      (1)電圧発生器:CA150 横河電機社製

      (2)実験に用いた被測定器:

      温度指示調節計1:UT450 入力レンジ:K熱電対

      -270~1370℃

      ウォーミング時間:電源オン後、30分以上

      測定環境:23±2℃  55±10%RH(説明書に記載) 横河電機社製
      温度指示計2:452B 入力レンジ:K熱電対 -100~1300℃

      ウォーミング時間:電源オン後、15分以上

      測定環境:23±5℃  45~75%RH(説明書に記載) 鶴賀電機社製
      (3)氷点式基準接点補償器を用いて、0℃、500℃、1000℃

      の温度指示値を測定しました。

    • 【実験】:温度指示調節計、温度指示計の2台を、環境温度により影響を受けないよう 23.0℃の部屋で、電源投入直後から、ウォーミング時間とともに、模擬入力温度 0℃、500℃、1000℃の温度指示の変化を測定しました。

ウォーミング時間の経過とともに指示値の変化は?

  • 【実験結果から】

    (1)UT450はウォーミング時間、約30分で指示値0℃は安定しました。

    500℃、1000℃では、+0.2℃、+0.4℃と高めの指示値

    ですが、精度内に収まっています。

    (メーカ精度《計器レンジの±0.1%±1digit》から各温度の

    許容精度を算出すると、

    0℃:±1.7℃ 500℃:±1.7℃ 1000℃:±1.7℃)

    (2)452Bは、ウォーミング時間約15分で指示値の0℃、500℃、

    1000℃のそれぞれ -0.2℃と低めの指示値ですが、精度内

    に収まっています。

    (メーカ精度《±(0.1% ofrdg+0.5℃)》から各温度の

    許容精度を算出すると、

    0℃:±0.5℃ 500℃:±1.0℃ 1000℃:±1.5℃)

温度指示計のウォーミング時間は

  • 温度指示計は、取り扱い説明書通りにウォーミング時間をかければ、正しく測定ができます。
  • 当社では、温度指示計の校正は、電源投入後、直ぐに校正作業を行うのではなく、約30分以上のウォーミング時間をおいてから、校正作業に取りかかるようにしております。
  • お客様も、もし自社で校正される場合には、ウォーミング時間をキチット取られることをお勧めします。
  • さて次回は、温度指示計の取り扱い説明書に記載されている、周囲温度、基準接点補償誤差を取り上げ、温度による影響を実験し、お届けします。

関連情報をご紹介します。

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