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2010.01.20

校正のトピックスNo.31
【マイクロメータで材質の違う製品を測るには、どうしたらいいの?】

NKS流「ためしてガッテン!」

材質が違ったら、長さは温度の影響でどう変わるの?

  • 前回は、同じような材質の測定器と被測定器で、長さが温度でどう変わるかを実験しました。
  • 今回は、同じマイクロメータを使って、測定するブロックゲージの材質をスチール製からセラミック製にした場合、温度でマイクロメータの測定値がどの位変わるのか? 材質の違いによる測定値の変化を実験しました。
  • 【実験:1】
  • 始め35℃に慣らした、100mmのスチール製とセラミック製のブロックゲージを20℃の環境に移し、予め20℃に慣らしたマイクロメータで測定したときの時間の経過と長さの変化を調べてみました。
  • 実験1・実験2で使用した標準器と測定器

    標準器:スチール製100mmブロックゲージ No.010120 ミツトヨ製

    :セラミック製100mmブロックゲージ No.010370 ミツトヨ製

    使用した測定器:外側マイクロメータ MDC-125MJ No.75156990 ミツトヨ製

  • 【実験:1から】
  • 1)ブロックゲージを約35℃にしたとき、セラミック製はスチール製に比べて、当初の測定値の変化が少ない。(5μm少ない)
    →材質の熱膨張係数によって、長さの変化量がどう変わるかが分かります。
  • 2)環境温度が約20℃の場所に移したとき、時間経過と共にブロックゲージの温度が20℃に近づいていくが、スチール製が約40分で馴染むのに対して、セラミック製は約55分かかりました。
    →材質の熱伝導率によって、環境温度に馴染む時間がどれだけ変わるかが分かります。

長さを表すには、
温度が何度のときかを約束しているの?

    • 【実験:2】
    • スチール製、セラミック製の各ブロックゲージ(100mm)とマイクロメータのすべてを同じ環境において、各温度で慣らしたときのマイクロメータの測定値の変化を調べてみました。(温度慣らし時間は、各温度とも90分です)

  • 【実験:2から】
  • 1)どちらのブロックゲージも、環境温度が約20℃では同じ測定値(公称値)になりましたが、温度が10℃変わると、スチール製の長さは、公称値に対して約±1μmのズレに対し、セラミック製は約±2μmのズレとなりました。(2倍のズレ)
    →環境温度に馴染んでも、温度が20℃から変ったときは、材質の熱膨張係数によって、測定値のズレる量が違うことが分かります。
  • 2)実は、どのブロックゲージも制作段階から20℃のときに、公称値100mmなら100mm丁度、200mmなら200mm丁度になるように作り込まれているのです。

材質の違う製品を、より正確に測るには?

  • 今回の実験から、材質が何かによって、環境温度に馴染ませる時間を考慮することが、正確さの鍵の一つと言えます。
  • また、マイクロメータを使って違う材質の製品を測ると、たとえ温度慣らしが十分であっても、環境温度が20℃から外れるほど、測定値のズレが大きくなります。
  • 従って、お客様が現場で、より高い正確さを求められる場合は、マイクロメータで直接製品を測るのではなく、製品と同じ材質の検査用マスター(セラミック材質の製品ならセラミック製ブロックゲージなど)を基準にして比較検査することをお勧めします。

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