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コラム
2025.03.14計測器
【 振動計の単位の種類とその関係性とは? 】
振動計にはいろいろな単位が存在します
- 計測器に振動計という機器がありますが、名前のとおり振動を検出して電気信号に変換する振動ピックアップと呼ばれるセンサを接続し、振動を測定するための計測器です。
- 主に回転機械を中心とした産業用機械の保守管理や点検などに使用されています。
- 以前、振動計を校正中に後輩から「振動を測定するだけなのに何で単位が3つもあるのですか?」と質問がありましたが、とっさには上手に答えられませんでした。
- そこで今回は物理量測定器の汎用振動計の単位の種類と関係性について調べてみました。

単位によって使用用途が異なります
- 振動計では変位・速度・加速度の3つの単位が使用され、それぞれの値を測ることで機械の状態を知ることができます。
要素 | SI単位 | 単位の読み方 | 説明と用途 |
---|---|---|---|
変位 | m | メートル | 変位(振幅)とは距離とどの程度の長さで振動しているかを表し、単位は [mmp-p] もしくは [μmp-p] を使用します。 金属加工機の加工精度など、変化量そのものが問題になる場合の検査に利用される。 |
速度 | m/s | メートル毎秒 | 速度とは単位時間あたりの物体位置の変化量のことで、変位を時間で微分した値となり、単位は [mm/s] もしくは [cm/s] を使用します。 ボルトの緩み、ガタの検出や、金属疲労度の監視や検査などに利用される。 |
加速度 | m/s2 | メートル毎秒毎秒 | 加速度とは単位時間あたりに変化する速度の変化量のことで、速度を時間で微分した値となり、単位は [m/s2] を使用します。 衝撃力のような大きな力が問題になる、軸受けや歯車の欠陥検出などに利用される。 |
3つの単位の関係性とは
- 変位・速度・加速度の3つの単位にはそれぞれ使用用途が異なることがわかりました。 では、それらの関係性はどうでしょうか。
- 3つの単位の関係性は下図にように表すことができます。

速度、加速度で使用される等価Peak to Peakや等価Peakって何?
- 先程、変位の単位で p-p がでてきましたが、ここでは加えて等価Peak to Peakや等価Peakについても説明します。
- 等価Peak to Peakとは、実効値(rms)を2 √ 2倍した値(Peak to Peak)で、等価Peakとは実効値(rms)を√2倍した値(0~Peak)です。
- また、変位は両振幅(Peak to Peak)を速度・加速度は片振幅(0~Peak)を使用します。
- 因みに片振幅とは波の最大振幅値で、両振幅とは正弦波では片振幅の2倍の値です。
- 片振幅と両振幅は下図にように表すことができます。

出来れば後輩にはこう答えたかった!
- 『機械には、モーター・ギアー・軸受・ファンなどいろいろな振動発生源が含まれていて、機械の状態が正常であるか、異常であるかを振動の大きさとして、変位・速度・加速度を使い分けて測っているんだよ。』
- これで次回からはバッチリ説明できます。
- 当社では今回の記事でご紹介しました汎用振動計も校正しておりますので、こちらより是非お問い合わせください。
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