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自動車業界ではISO9001に代表される国際規格のほかに、部品製造のサプライヤーが運用する自動車産業固有のセクター規格でIATF16949があります。IATF16949の校正要求には、他の規格ではあまり見られない校正委託先の指定や評価基準が規定されています。

IATF16949には校正委託先への要求事項で「 ILAC MRAの認定機関によって 、ISO/IEC 17025 又は国内同等規格で認定されていること」という指定が存在します。この指定は校正依頼先が限定されてしまうことになり「校正コスト増加」「納期遅延」などの課題をユーザーに課すことに繋がっていました。

校正委託先一択の状況は前身規格のISO/TS16949発足である1999年から続いていましたが、2021 年 7 月に発行された公式解釈集の改訂によりもう一つの選択肢が生まれました。

本ページではIATF16949の「改訂の内容」と「NKSの解釈・対応」、「お客様への提案」をお伝えいたします。

公式解釈集 SI10 の改訂

2021年7月にIATF(国際自動車産業特別委員会)より発行された公式解釈集により、条項7.1.5.3.2 外部試験所の改訂が行われました。
改訂は非認定試験所を使用する場合について条件を明確化したものでした。

組織が,検査,試験,又は校正サービスのために用いる外部/商用/独立試験所施設は,必要とされる検査,試験,又は校正を遂行する能力を含む,明確に規定された試験所適用範囲を持たなければならない。

そして,次のいずれかであること。


◇その試験所が ILAC MRA(国際試験所認定フォーラム相互認証協定 www.ilac.org)

の認定機関(加盟機関)によって ISO/IEC 17025 又は国内同等規格(例:中国のCNAS-CL01)で認定されており,当該の検査,試験又は校正サービスが認定(証明書)適用範囲に含まれていなければならない。かつ,校正証明書又は試験報告書に国内認定機関のロゴマークが表示されていなければならない。


◇非認定試験所を使用する場合(例えば,しかしこれらに限定されるものではない:専門的な若しくは統合された装置,又は国際的にトレーサブルな参照標準を持たないパラメータの場合,又は装置製造者),当該試験所は評価されており,IATF 16949 条項7.1.5.3.1の要求事項を満たしている,という証拠があることを確実にする責任を,組織は有する。

(IATF16949:2016 公式解釈集SI10より抜粋)

改訂内容に対するNKSの解釈

当社では今回の改訂を次のように解釈いたしました。


1. ISO/IEC17025または、それと同等の(JCSSなど)認定試験所でなくとも、条項7.1.5.3.1内部試験所の要求事項を満たし、証明することで、外部試験所として認められる。


2.「非認定試験所を使用する場合(例えば、しかしこれらに限定されるものではない)」という記載より、以降で挙げられている例以外のケースでも非認定試験所を使用しても良い。


3. 顧客が承認しなくとも、外部試験所として認められる。


2つの外部試験所のイメージ

上記の解釈より、当社は今までよりもっと広い範囲でIATF16949規格への対応ができるようになり、お客様のお役に立てると考えました。

外部試験所として NKS をご利用ください

当社は、ブロックゲージ・トルクレンチ・温度計の範囲で「ILAC MRA」の認定機関よって認定を取得しておりますので、認定試験所としてご利用いただけます。

ほかの校正対象については、非認定試験所としてご利用をください。


非認定試験所としての評価基準となる内部試験所の要求事項と NKS の対応を以下の表にまとめました。



内部試験所の要求事項に対する NKS の対応

要求事項NKSの対応
組織内部の試験所施設は、要求される検査、試験又は校正サービスを実行する能力を含む、定められた適用範囲をもたなければならない。    校正を実施する能力とその適用範囲は、品質マニュアルや社内規定によって明確化されています。                          
a) 試験所の技術手順の適切性校正の管理及び実施に必要な要員、施設、標準器、校正手順、検証及び妥当性確認等について規程等に定め運用しています。
b) 試験所要員の力量資格認定制度を有しており、校正作業手順毎に校正員の資格有無を明確化しております。
また、力量を確保・維持するための教育・訓練を実施しています。
c) 製品の試験校正手順書を定め実施しています。
d) 該当するプロセス規格(ASTM、ENなどのような)にトレーサブルな形で、これらのサービスを正確に実行する能力。国家標準又は国際標準が存在しない場合、組織は、測定システムの能力を検証する手法を定めて実施しなければならない。JIS規格やISO規格など該当するプロセス規格を参考として、独自の校正手順書を作成し、校正を実施しています。
国家標準又は国際標準が存在しない場合、測定システムの能力を検証する手法を定めて独自の校正手順書を作成、校正を実施しています。
e) もしあれば、顧客要求事項お客様のご希望を実現するため、柔軟な校正対応を実現する仕組みがあります。
f) 関係する記録のレビュー校正成績書・証明書などは、作成・発行者とは別の承認者が妥当と判断してから提供する仕組みがあります。
また、管理文章毎に保管期限を設けて管理をしております。

外部試験所として評価して頂くためのご提案

●NKSを外部試験所として評価して頂く為の根拠となる、要求事項・お客様の判断基準に従って当社の技術的な力量や品質管理体制をご確認いただけます。


●貴社からの第二者監査・書類審査のご依頼に対し、対応する体制が整っています。機密保持契約を取り交わした上で、当該ドキュメントなどを原則オープンにして対応しています。


●メーカー校正にこだわる必要がなくなります。製造メーカーで実施するにしても、IATF16949では内部試験所で要求している技術的要件を満たすことが必要になります。

そのため、各製造メーカーに対して、これらの要件を個々に確認されるのも大変なことです。NKSで校正先を一元化することにより、確認作業の煩わしさが解消されます。


以上が当社からのご提案となります。

必要に応じて基準器レベルのJCSSやA2LAの校正は、当社を窓口として認定事業所への校正依頼も承ります。上記提案内容をご検討の上、当社の校正業務をご利用頂ければ幸いです。

よろしくお願いいたします。

※ これらの記載内容は、校正する立場からの見解であり、実際のIATF16949規格の審査では、審査機関や審査官により判断にばらつきがありますので、直接貴社の審査機関にお問い合わせの上、貴社にてご判断をお願い申し上げます。

NKS校正で実感いただけると思われるメリット

コストダウン
機種・メーカー問わず広い範囲の校正対応している為、NKSへ多くの機器を一括でご依頼頂く事が可能です。認定試験所や製造メーカーへそれぞれ依頼しないので、ドキュメント費用、出張費、手数料、諸経費などの費用を圧縮できます。
管理面の手間の削減
依頼先をまとめる事により、発注時の打合せや手続きに掛かる時間を削減することができます。また、第二者監査の回数を減らすことになり、目に見えない管理面でのコストダウンにつながります。
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