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業務に活える校正技術情報
2025.01.23
NKSメールマガジン No.37
昨年末は比較的過ごしやすい地域が多かったと思いますが、年明けからの強い寒波で厳しい雪や池も凍るような寒さが来ています。
当社はお客様の工場屋内で作業することが殆どのため、基本的に季節/天候の影響を受けないのですが、「 夏季と冬季 」に作業が集中する特異的な業務メニューがあります。それが少し前のメルマガでお伝えしました「 温度マッピング(温度分布測定) 」です。
その温度マッピング(温度分布測定)は、倉庫等の温度分布を測定し、最も温度が高い/低い箇所や温度変動の状況を確認する作業です。主に温度管理が求められる医薬品を扱うお客様からご依頼をいただきます。
医薬品は室温(1~30℃)あるいは冷蔵(2~8℃)など製品ごとの保管の条件が定められており、製造後も、保管、輸送など物流の間を通じてこの条件を満たす必要があります。一方、食品においても、生鮮食品、冷凍食品など低温輸送が必要とされるものがあります。これらは適切な温度管理をしないと、新鮮さが失われたり腐敗するなど品質が劣化してしまいます。
医薬品は、温度逸脱した際の品質への影響が見た目や匂いでは分かりません。品質に問題ないことを確実にするため、保管および流通を通じて温度条件を満たすことの検証や監視が求められています。
保管中の温度の逸脱がないことを保証するには、温度記録(ログ)があればよい気がします。スーパーマーケット等でも保冷庫等に温度の記録があるのを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、倉庫での保管においては空間的な温度ムラができます。そのためある位置で温度の記録をとったとしても、倉庫全体で温度の逸脱がなかったかどうかは分かりません。温度逸脱していない事を確実にするためには、適切な監視位置を見定める必要があります。
作業としては、多数の温度ロガーを倉庫内に設置し、その温度推移や変動から、最も温度の高い/低い位置を特定して監視位置を決めます。倉庫の最も温度の高い点と、低い点が逸脱していなければ、倉庫全体としても温度が逸脱していない、といえます。
日本の季節や空調の運転モードの変動要因を考慮すると、「 夏 」の最も温度の高い/低い位置と、「 冬 」の最も温度の高い/低い位置が異なる場合があります。そのため多くのお客様から依頼いただく温度マッピング(温度分布測定)作業は「 夏 」と「 冬 」に集中することになります。
温度の分布に影響するような、温度管理の運用や設備の変更(改造/修理など)時には、その影響やリスクを考慮して、再度温度分布の確認をされる場合があります。
加えて、日本の平均気温は上昇傾向です。
直近のほうが印象に残りやすいため、年明けからの強い寒波で厳しい雪や寒さをお感じの方も多いと思いますが、昨年夏の気温は相当なものでした。特に昨年の夏は非常に暑く、気象庁の1898年の統計開始以来、過去126年間で最も暑い夏でした。夏だけでなく、年間の平均気温の基準(30年間の平均値)で見ても、2024年は過去突出していた一昨年(2023年)をさらに上回る結果となっています。
昨今の異常ともいえる気象を受けてか、以前実施させていただいたお客様から温度マッピング(温度分布測定)のご依頼を頂くことも出てきています。大型倉庫や、複数設備の同時実施もできるよう社内体制を整えておりますので、温度マッピング(温度分布測定)にご興味のある方は一度ご連絡いただければ幸いです。