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TOPICS
業務に活える校正技術情報
2024.10.24
NKSメールマガジン No.27
残暑の時期を越えて、だいぶ過ごしやすい時期に入ってきました。屋外スポーツをする方にとっては、ようやく訪れた貴重な時期かと思います。
今年は非常に暑い夏でしたが「 例年より 」という表現では足らないくらいの猛暑でした。
気象庁によると、日本の平均気温からの偏差( +1.76℃ )は昨年に続いて1位。1898年に統計が始まって以来、過去126年間で最も暑い夏という事になります。
この穏やかな季節に、当社では社内に500台以上ある温度ロガーや温湿度ロガーの校正を集中的に行っています。校正は室内かつ恒温槽等で行うため、外気の影響は受けませんが、この時期に行わなければならない「 当社がこの測定器を使う作業上の理由 」があるのです。
その「 当社がこの測定器を使う作業上の理由 」は、夏季と冬季『 だけ 』温度ロガー/温湿度ロガーを大量に使う作業が集中するためです。
当社の業務メニューの一つに温度マッピング( 温度分布測定 )があります。これは主に温度管理が求められる医薬品の保管倉庫の温度分布を測定し、もっとも温度が高い/低い箇所や温度変動の状況などを確認する作業です。
医薬品は製造後の保管中も、室温( 1~30℃ )あるいは冷蔵( 2~8℃ )など医薬品ごとの保管の条件を満たす必要があります。温度条件内であることを常時監視することになりますが、保管場所は空間的に温度ムラがあるため、適切な監視位置を見定める必要があります。
このため、多数の温度ロガー/温湿度ロガー用いて確認した各場所の温度推移や変動から、最も温度の高い/低い位置を特定して監視位置とします。
医薬品製造用のクリーンルームは通常、空調管理されているため、外気温の影響をほとんど受けませんが、製品や原材料の保管倉庫は外気温の影響を受ける事があります。
日本の季節変動要因を考慮すると、より厳しい条件となる『 夏 』と『 冬 』の状況を確認することが必要です。そのため、お客様から依頼いただく温度マッピング( 温度分布測定 )作業は『 夏 』と『 冬 』に集中することになり、自社の機材がフル稼働になります。
そこで、作業依頼がほとんどないこの中間の期間に集中して多数保有している温度ロガー/温湿度ロガーの定期校正を行うスケジュールとしています。
お客様からのご依頼に合わせ徐々に温度ロガー、温湿度ロガーを増台し、大型倉庫や、複数案件の同時実施もできるようになってきました。
昨今の異常ともいえる気象を受けてか、以前実施させていただいたお客様から温度マッピング( 温度分布測定 )のご依頼を再度頂くことも出てきています。
今年の冬も、作業時期や作業内容などお客様のご要望に出来る限りお応えできるよう、今のうちにしっかり準備を整えて、シーズンに備えます。