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2024.10.17

圧縮空気の求められる品質ってどんなもの?

NKSメールマガジン No.26

ここ最近、圧縮空気の品質測定のお問合せが多くなっており『 圧縮空気 』は、その多様性と信頼性からさまざまな分野で欠かせない存在となっています。

圧縮空気とは、 大気中の空気を利用するため、手軽に生成できるのが特長ですが、その反面、大気中のゴミやチリも混入しやすく、精密な製造現場ではより品質の高い圧縮空気が求められています。

さまざまな産業で広く利用されている『 圧縮空気 』の以下の3つについてご紹介します。

  • 基本的な特徴・主な用途
  • 圧縮空気の品質測定は重要
  • 圧縮空気の代表的な品質測定方法

基本的な特徴・主な用途

圧縮空気は、空気を圧縮して体積を小さくしたもので、いくつかの重要な特徴があります。

圧縮された空気は高い『 圧力 』を持ち、その圧力を利用して機械や工具を動かしたり、医療機器などの清掃に使われます。また、圧縮空気は元の体積に戻ろうとする力を持っており、この力を『 エネルギー 』としても利用されます。

使用用途によっては、圧縮空気中のゴミやチリ・油分を含むと具合が悪い場合もあり、『 清潔さ 』を求められたりします。圧縮空気の特徴の中で、『 圧力 』『 エネルギー 』『 清潔さ 』とは、どのようなものか紹介します。

圧縮空気の特徴
特徴 圧力 エネルギー 清潔さ
詳細 空気を圧縮すると、それにつれて温度が高くなる性質があります。 反対に、膨張させると温度が低くなります。
また、空気を圧縮すると体積は小さくなり、この圧縮された空気は常に前の状態に戻ろう(膨張)とする力が働きます。 この力を圧力と言います。
空気を圧縮すると、空気分子の運動エネルギーは大きくなります(空気分子の動きが速くなる)。
動きが速くなると「圧縮熱」が生まれ、空気の温度は上昇し、ぎゅっと凝縮された空気は放出される際、エネルギーも大きくなるため、圧縮空気はエネルギーの蓄積・伝達に優れていると言えます。
圧縮空気の清潔さを保つことで、機械の故障を防ぎ、製品の品質を向上させることができます。
特定の用途では、圧縮空気の清潔さが重要です。
例えば、医療や食品産業では、汚染物質が含まれていないことが求められ、圧縮空気の清潔さが管理対象となります。

次に主な用途ですが、圧縮空気は、さまざまな業種・分野の多様な製造工程で使用されており、工場ではなくてはならない、重要な動力となっています。どのような業種・分野で、どのような使い方をしているかを、いくつかご紹介します。

圧縮空気の用途
業種 製造業 医療分野 食品・飲料産業 自動車産業 建設業
詳細 工場の機械や工具の動力源として使用されおり、エアツール・塗装スプレー・組立ラインなどで広く利用されています。 手術室や病院での呼吸器や麻酔装置に使用されるほか、医療機器の清掃や滅菌にも利用されます。 食品の包装や充填、飲料の炭酸化、製品の搬送などに使用さおり、製品の品質と安全性を確保するために重要となっています。 塗装ブースや組立ラインでのエアツール・タイヤの充填・エアサスペンションシステムなどに使用されます。 エアハンマーやドリル、その他の建設機械の動力源として使用されます。

※ 多様な場面で圧縮空気が使用されており、とても重要な動力となっていることが分かります。

圧縮空気の品質測定は重要

圧縮空気の品質を求めらる製造業や医療分野など、圧縮空気が直接製品やプロセスに影響を与える場合、品質管理が欠かせません。

圧縮空気の品質に関係する汚染物質としては、ISO規格( ISO 8573-1 )に「 個体粒子 」、「 」および「 オイル 」の3つが示されており、そのため実際の使用用途に適しているか判断するため、品質測定が必要とされています。

もし、圧縮空気の品質が悪いとどんな、影響がでるのかを『 製品品質 』『 設備 』『 エネルギー 』『 安全性 』の面から見てみました。

品質測定の重要度
影響 製品品質面 設備面 エネルギー面 安全性の面
内容 圧縮空気が製品に直接または間接的に触れる場合、その清浄度が製品の品質に大きな影響を与えます。
例えば、食品や飲料の製造過程で汚染された空気が使用されると、製品の安全性が損なわれる可能性があります。
汚染された圧縮空気は、機械や工具の故障を引き起こす原因となります。固体粒子や水分、油分が含まれていると、機械の内部にダメージを与え、メンテナンスコストが増加します。 清浄でない圧縮空気を使用することで、エネルギー効率が低下し、運用コストが増大してしまします。 特に医療分野では、患者に供給される空気の純度が非常に重要です。汚染された空気が使用されると、健康被害を引き起こすリスクがあります。

※ 圧縮空気の品質測定を適切に行うことで、製品の品質を維持し、機械の寿命を延ばし、規制を遵守し、エネルギー効率を向上させることができます。

圧縮空気の代表的な品質測定方法

圧縮空気の品質測定には、いくつかの重要な方法があります。以下に代表的な測定方法を紹介します。

また、圧縮空気の等級と検査項目は、主に国際規格ISO 8573-1および日本産業規格JIS B 8392-1に基づいています。これらの規格は、圧縮空気中の汚染物質の種類と濃度に応じて等級を定めています。

1. 粒子測定(パーティクルカウンター)

圧縮空気中の個体粒子(微粒子)の数を測定します。ISO 8573-1やJIS B8392に基づいて、粒子のサイズと数をカウントします。

2. 水分測定(露点計)

圧縮空気中の水分量を測定します。露点温度を測定することで、空気中の水分含有量を把握します。

3. オイル測定(オイル検知器)

圧縮空気中のオイルミストやオイル蒸気の濃度を測定します。これにより、オイルフリーの状態を確認します。

4. ガス分析計

圧縮空気中のガス状汚染物質(例:一酸化炭素、二酸化炭素)の濃度を測定します。

5. 微生物検査

圧縮空気中の微生物(細菌やカビ)の存在を確認します。培地に付着させてコロニーの形成を観察します。

※ これらの測定は、圧縮空気の供給システムの各段階で行われ、特に製品に直接触れるユースポイントでの測定が重要になります。

圧縮空気の品質測定を自社で実施したい?外部へ依頼したい?

清浄度測定:固体粒子の等級(個/m3 Cp:サンプル空気中の固体粒子濃度 参照規格:ISO8573-1:2010/JISB8392-1:2012
等級 粒径 d( μm ):個/m3
0.10 < d ≦ 0.5 0.5 < d ≦ 1 1 < d ≦ 5
0 等級1より厳しい条件で使用者又は納入業者によって決定する。
1 20,000 400 10
2 400,000 6,000 100
3 90,000 1,000
4 10,000
5 100,000
等級 濃度 mg/m3
6 0 < Cp ≦ 5
7 5 < Cp ≦ 10
X 10 < Cp
露点温度測定:湿度/水分の等級(℃) 圧力露点:実際の圧力下で測定した露点 参照規格:ISO8573-1:2010/JISB8392-1:2012
等級 圧力露点 ℃ 等級 圧力露点 ℃
0 等級1より厳しい条件で使用者又は納入業者によって決定する。 7 Cw ≦ 0.5
8 0.5 < Cw ≦ 5
9 5 < Cw ≦ 10
1 ≦ -70 X 10 < Cw
2 ≦ -40
3 ≦ -20
4 ≦ +3
5 ≦ +7
6 ≦ +10
油分測定:油分濃度の等級( mg/m3 参照規格:ISO8573-1:2010/JISB8392-1:2012
等級 オイル総濃度 mg/m3
0 等級1より厳しい条件で使用者又は納入業者によって決定する。
1 ≦ 0.01
2 ≦ 0.1
3 ≦ 1
4 ≦ 5
X 5 <

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