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2012.03.01

校正のトピックスNo.135
【マグネット:変わらないと思っていた物も変わりました】

NKS流「ためしてガッテン!」

環境温度がこのような所にまで影響していました

  • あるお客様より「製品チェック用に使用するマグネット製の道具の磁力を測定してみると、パッケージに書かれている規定値○○mT(25℃)より低かった。要因がわからず困っています。」と言う相談を受けました。
  • お役に立ちたいと思って調べていくと、磁力の向きや距離や測定方法など幾つかの要因を考えつきましたが、最終的に「環境温度によって磁力は変化する」という事実がある事にたどり着きました。
  • 以前のメルマガでお伝えしたように、マルチメータ、ブルドン管圧力計などの機器は、環境温度が測定値に影響する事は知っていました。
  • しかし、これらの機器と同様に、マグネットも環境温度によって本当に変化するとは、思いも寄りませんでした。
  • では、実際にどれくらい変化がでるのか実験してみました。

マグネットを水中に沈めて、水温を変えながら測定してみました

    • 【使用測定器】
    • ガウスメータ  型式:6010  F.W.BELL製
    • ガラス製温度計 型式:№1,№2 新日本計測製

    • 【用意したマグネットの種類】
    • ネオジウム磁石:もっとも強力な磁石と言われ、ハイブリッドカーやパソコンなどに使用されています。
    • フェライト磁石:もっとも数多く作られていて、文具や玩具など幅広く使用されています。
    • サマリウム磁石:ネオジウム磁石の代替品として使用されています。

実験結果から

  • 常温付近までは一定ですが、温度が上がるにつれて、全ての種類で磁力が落ちました。大きい物では、25℃時に比べて約15%も落ちていました。

測定値と環境温度を一緒に記録する事がポイントです

    • 一般的には、磁力は変わらないと思われていますが、環境温度によってこんなにも変わると言う事がわかりました。
    • 実はその原因は、磁石の中で一方向に並んでいる磁力エネルギーに、熱エネルギーがぶつかると、磁力の向きを変えられてしまうからだそうです。

  • 測定する際は機器だけでなく一見、環境温度の影響を受けなさそうな、マグネットのような道具に対しても環境温度の管理が大事です。
  • したがって、測定値だけの記録ではなく、環境温度も一緒に記録し続ける事が製品品質の維持につながります。
  • 問い合わせの頂いたお客様へは、「環境温度も一緒に測定する事」をお勧めしました。
  • 豆知識として、モーターにはマグネットが使用されていますが、使用中高温になって性能が落ちるのを防ぐ為、冷却方法へのこだわりが各メーカであるそうです。

関連情報をご紹介します。

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